洋12-2

「宇宙人ポール」
    

                    2012(平成24)年1月8日鑑賞<シネ・リーブル梅田>

監督:グレッグ・モットーラ
グレアム(イラストレーター)/サイモン・ペッグ
クライヴ(イギリス人のSF作家)/ニック・フロスト
ゾイル(ヤリ手の捜査官)/ジェイソン・ベイトマン
ルース(モーゼスの娘、敬虔なクリスチャン)/クリステン・ウィグ
ハガード(ゾイルの応援部隊)/ビル・ヘイダー
オライリー(ゾイルの応援部隊)/ジョー・ロー・トルグリオ
タラ/ブライス・ダナー
モーゼス(ルースの父、キリスト教原理主義者)/ジョン・キャロル・リンチ
パット(カフェの女主人)/ジェーン・リンチ
ビッグ・ガイ/シガーニー・ウィーヴァー
宇宙人ポールの声/セス・ローゲン
2010年・アメリカ、イギリス合作映画・104分
配給/アステア、パルコ

<SFオタクには最高?>
 本作のチラシを読むと、本作のウリは「笑って泣ける感動のSFコメディ ついに日本上陸!」。そしてチラシには「宇宙人ポール」らしい小型で愛嬌のある1人(1匹?)のエイリアンが写っていたが、私はもともとSFコメディものはあまり好きではないので、こりゃノーサンキュー。そう思っていたが、キネマ旬報2012年1月上旬号「REVIEW 鑑賞ガイド」において、本作は3氏から5点、4点、4点をつけられていたため、何とか時間を作って劇場へ。
 しかし、SFオタクでない私には、スティーヴン・スピルバーグ監督や同監督のヒット作『E.T.』(82年)や『未知との遭遇』(77年)に捧げられているらしい多くのオマージュがさっぱりわからないから、やっぱり本作は私には不向き?しかし逆に、SFオタクには本作は最高?

<ストーリーの軸は、SFオタクとポールとの友情と絆!>
 本作はイギリス人のSF作家のクライヴ(ニック・フロスト)とその親友であるイラストレーターのグレアム(サイモン・ペッグ)という2人のSFオタクが、RV車をレンタルして少年時代からの夢だったアメリカ西部のUFOスポット巡りに出発するところから物語が始まる。しかし、その前の映画冒頭で60年前の1947年に起きた「ある出来事」が描かれ、それによって本作の進行が暗示されるから、まずはそれに注目!
 2人のSFオタクは出発直後に起きた暴走車の事故によって宇宙人ポール(声セス・ローゲン)と出会うことによって、以降本作はポールを伴った2人のSFオタクのロードムービーとなる。2人はポールから「故郷に帰る手伝いをしてほしい」と頼まれたからそれに協力してやろうとしただけだが、そのロードムービーの中でポールと2人のSFオタクとの間で芽生える友情と絆が本作のストーリーの軸になる。さあ、いくらSFオタクとはいえ地球上の人間と、どこかの星からやって来たらしい宇宙人ポールとの友情と絆は、いかにして築かれるのだろうか?

<3人に絡むキャラたちは?>
 なぜポールが車を暴走運転していたのか私には最初わからなかったが、ヤリ手の捜査官ゾイル(ジェイソン・ベイトマン)やその応援部隊である新人コンビのハガード(ビル・ヘイダー)とオライリー(ジョー・ロー・トルグリオ)がポールを逮捕するべく懸命の追走をしている姿を見ると、なるほどアメリカのエイリアン対策はこうだったのかということを少し理解?さらに、本作では途中から紅一点のルース(クリスティン・ウィグ)がロードムービーに加わるところが1つのミソだが、彼女を取り戻すべく3人を追走する父親のモーゼス(ジョン・キャロル・リンチ)が頑迷なキリスト教原理主義者だというところが面白い。娘のルースも父親の影響を受けて頑迷なキリスト教原理主義者だったのだが、ポールがルースに対して施した「ある奇跡」によって、ルースはその心を解放することに。
 ポールを含む3人(途中から4人)のロードムービーと、これを追いかける3人の捜査官やルースの父親たちとのドタバタ劇(?)はたしかに多くの笑いを呼ぶが、さて肝心の感動は?

<「最終地点」には意外な展開が!そして・・・>
 映画途中からは3人の捜査官のチームワークの悪さ(?)がやけに目に付くが、そのおかげで(?)3人(いや4人)は間一髪のところで逮捕を免れることができていた。しかしゾイルが無線でさかんに連絡をとっている(指示を仰いでいる?)女性の声は、一体ダレ?さらに徹底的に娘の後を追いかけるモーゼスがゾイルたちの追走の邪魔になったとき、ゾイルは容赦なくモーゼスに銃弾を浴びせたから、モーゼスの生死は?
 そんなこんなの謎をはらみながら、またラストに向けては4人の間で形成された厚い友情と絆を存分に見せつけながら、4人はついに「最終地点」に到着するが、さてそこで待ち受けるあっと驚く展開とは?そこではそれまで声だけの登場だった女性(シガーニー・ウィーヴァー)が登場するが、さてビッグ・ガイと称するこの女は一体何者?もっとも、最終地点での大騒動が終わると、あとはあるべき結末に向けて一直線。こんな風景はSFオタクでなくても、宇宙モノではごく見慣れたものだが、そこで生まれる爽快感や感動とは?
                               2012(平成24)年1月12日記