洋11-85 (ショートコメント)
「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」 ![]()
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2011(平成23)年9月5日鑑賞<テアトル梅田>
監督:スティーヴン・R・モンロー
ジェニファー(女性作家)/セーラ・バトラー
ジョニー(リーダー格の若者)/ジェフ・ブランソン
ストーク(保安官)/アンドリュー・ハワード
スタンリー(ジョニーの仲間)/ダニエル・フランゼーゼ
アンディ(ジョニーの仲間)/ロドニー・イーストマン
マシュー(気の弱い若者)/チャド・リンドバーグ
アール(ストークの友人)/トレイシー・ウォルター
2010年・アメリカ映画・106分
配給/プライムウェーブ
◆ 1987年に製作された『I Spit on Your Grave(お前の墓に唾を吐く:原題)』は、日本では配給会社が内容の過激さに恐れをなし、ポルノ映画として劇場公開されたらしい。そんな映画が、なぜ今アメリカでリメイク?『SAW』シリーズなど超過激な映画が氾濫している今、「リベンジバイオレンス」の元祖として「カルトムービー」の位置を確立していたという本作の、今日的ハードさは?そしてまた、そのバイオレンス度は?エッチ度は?
◆ 『SAW』シリーズは結構ストーリーがややこしいが、森の中の別荘で地元の男たちによって壮絶な集団レイプを受けた女性作家ジェニファー(セーラ・バトラー)がそのリベンジのために立ち上がり、見事それを完遂するという本作のストーリーはまさに単純明快。そのお楽しみの第1はもちろんレイプシーン(?)だが、それ以上に興味深いのは男たちに対する復讐のやり方とその残忍性。ところが本作では後者は十分楽しめるものの、前者の刺激性は今どきの映画としてはイマイチ?
◆ 本作に登場するワルの田舎男たちは、ガソリンスタンドに勤めている(?)若者ジョニー(ジェフ・ブランソン)やスタンリー(ダニエル・フランゼーゼ)、アンディ(ロドニー・イーストマン)の3人組+約1名気の弱い若者マシュー(チャド・リンドバーグ)の4人だ。前半のストーリーの軸は、小説を書くために一人で別荘にやってきたジェニファーから小馬鹿にされたことに腹を立てたジョニーたちが、別荘への侵入とジェニファーのレイプを企てること。そこに至るまでのストーリーの組み立ては結構入念だが、ジェニファーを襲う時のシークエンスになると、ここはやけに雑。男が3人も(4人?)おり、ジェニファーにとっては絶望的な状況に追い込みながら、あんなに簡単に逃げられてしまうなんて。もっともその分、森の中で保安官のストーク(アール)と出会って命拾いしたと思ったジェニファーが再度別荘へ戻り、地獄の底へ突き落とされるストーリーには説得力が・・・?
◆ 私は去る7月26日、アジアでノーベル文学賞に一番近い作家「莫言」と対談したが、それに向けて大量に読んだ彼の小説の一つが『白檀の刑』上下。これは清の時代の処刑人を主人公とした残忍な小説だが、本作の後半ではそこで表現されたのと同じような(?)さまざまな処刑法が提示される。そのアイデアにはそれぞれ敬服するものの、こんなセット、あんなセットをどうやったら女手一つでつくり出せるの?そんな現実的な視点でジェニファーの復讐劇を観ていると、ジェニファーへの共感よりもむしろ違和感の方が・・・。
2011(平成23)年9月6日記