洋11-6 

「幸せの始まりは」
    

                    2011(平成23)年1月12日鑑賞<角川映画試写室>

脚本・監督・製作:ジェームズ・L・ブルックス
リサ・ジョンソン(プロソフトボール選手)/リース・ウィザースプーン
マティ(メジャーリーガー投手、リサのボーイフレンド)/オーウェン・ウィルソン
ジョージ・マディソン(会社の社長)/ポール・ラッド
チャールズ・マディソン(ジョージの父)/ジャック・ニコルソン
2010年・アメリカ映画・121分
配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

<31歳の失意の女は今?>
 
私は『キューティ・ブロンド』(01年)、『メラニーは行く!』(02年)(『シネマルーム20』168頁参照)、『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』(03年)(『シネマルーム3』287頁参照)でのリース・ウィザースプーンが大好きだが、どうも彼女にはとがったキャラの女性役が向いているようだ。しかして、本作で彼女が演ずるリサ・ジョンソンは女子ソフトボール全米代表チームのキャプテンというチームの要だが、31歳になった今、新任監督はもう限界が近いと厳しい評価を下していた。もちろん、リサはそんな雰囲気を自分自身でも感じ取っていたが、いざそれが現実になると、彼女のこれからの人生は?
 男にも恋にも縁がないまま20代の情熱をソフトボールに注いできたのに、全然ソフトボールと無縁の人生なんて・・・?そんな中これまでお気軽につきあっていたボーイフレンドとの進展は?そしてまた、そんな人生最大の危機の中、彼女に訪れたこれまた最悪状態にある男との出会いとは?

<金持ちでユーモアがあれば、プレイボーイでも?>
 リサのボーイフレンドは、メジャーリーグのリリーフピッチャーとして高収入を得ているマティ(オーウェン・ウィルソン)だが、これがケタ外れのプレイボーイ。もっとも、2人のセックスの相性は抜群だったようで、ある日を境に急にマティはリサに入れ込んできたが、さてマティは1人の女に絞ることなどできるの?女などいくらでも手に入るとハナから思い込んでいたマティにとって、リサはそのうちの1人にすぎなかったはず。ところが意外や意外、物語の進行につれて次第に変容していくマティのリサ観にビックリ。何だマティもそれなりに誠実な男だったんだ、ということを痛感!
 
<最悪の状況下でのデートは?>
 他方、リサと同じように目下人生最大の危機状況を迎えているのが、詐欺容疑で捜査の対象とされているジョージ・マディソン(ポール・ラッド)。ジョージは父親のチャールズ・マディソン(ジャック・ニコルソン)から社長の座を譲られていたが、ビジネス界の大物であるチャールズはあるところで投資詐欺のようなことをしていたらしい。しかも、あろうことかその罪がチャールズではなく息子のジョージにかけられているらしいから、ジョージは大変だ。リサとジョージはこれまで何の接点もなかったが、あるきっかけで人生最悪の状況下にあるリサとジョージの2人にデートの機会が訪れることに。デートの際、一方的に自分の悩みを披瀝することは厳禁だが、そんな2人の初デートでの会話は?

<リサの究極の選択は?>
 昨日の『恋とニュースのつくり方』(10年)に続いていかにもハリウッド的なラブコメディを鑑賞したが、本作においては、まず奇妙な「三角関係」を織りなす1人の女と2人の男のそれぞれの際立ったキャラに注目!日本人と違ってアメリカ人は会話が得意。とりわけ、機関銃のような速さでセリフを繰り出すリサだが、さてリサとジョージの会話はどこまでホントに成り立っているの?そしてまた、リサの提案によって実現したリサとジョージとの会話ゼロでの食事デートは?しかして、本作最大のポイントは結局リサはマティとジョージのどちらを選ぶのかということ。2人を比べると金持ちでユーモアたっぷりのマティが優位にあること明らかだが、映画の途中から際立つマティとジョージの違いは、リサの話を聞く姿勢を持っているか否かという点。何かと提案しそれを何かと強引に実行しようとするマティのリードにまかせていればいいという女はマティにピッタリかもしれないが、どうもリサはそうではなさそう。すると、ひょっとしたら一文無しになったうえ、刑務所行きになるかもしれないジョージの誠実さをリサは選ぶの?そんなバカなことは現実にはないと思うが、さてラストに訪れるリサの選択は?
                               2011(平成23)年1月13日記