洋11-20 (ショートコメント)
「キック・アス」 ![]()
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2011(平成23)年2月11日鑑賞<テアトル梅田>
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー、ジョン・ロミータ・Jr.
デイヴ・リゼウスキ、キック・アス/アーロン・ジョンソン
ミンディ、ヒット・ガール/クロエ・グレース・モレッツ
フランク・ダミコ/マーク・ストロング
クリス・ダミコ、レッド・ミスト(フランク・ダミコの息子)/クルストファー・ミンツ=プラッセ
デーモン、ビッグ・ダディ(ミンディの父親)/ニコラス・ケイジ
2010年・アメリカ、イギリス映画・117分
配給/カルチュア・パブリッシャーズ
◆ バットマン?スパイダーマン?いやキック・アス!そう言われても日本人は誰もわからないが、「アメコミ」に夢中のアメリカの若者たちにはスーパーヒーロー願望があるらしい。世の中は、こっちを見てもあっちを見ても悪がいっぱい。もちろん、ニューヨークに住むティーンエイジャーのデイヴ・リゼウスキ(アーロン・ジョンソン)が通う学校でも、「カツあげ」その他の悪は毎度のコト?
そんな中一人部屋の中でデイヴが考えるのは、「なぜ誰もやらない?」「本当はヒーローになりたいんだろ?」ということだが、ある日インターネットで注文した緑と黄色のコスチュームを着て颯爽と「世のため、人のため、正義のため」スーパーヒーローまがいの行動をとったところ、その結果は無残にも・・・。そりゃそうだろう。
◆ ところが、本作が映画として成り立ったのは、第1にデイヴについて「災い転じて福となす」という発想をうまく脚本にしたこと。第2にアメコミ特有のシリアスなストーリー展開(?)の中で無残にも妻を殺されたデーモン(ニコラス・ケイジ)とその娘ミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)というホンモノのスーパーヒーローを誕生させたことだ。
しかして、本作の主役はタイトルになっているキック・アスだが、それを完全に食ってしまった影の主役は、クライマックスですばらしい活躍をみせる1997年生まれの少女クロエ・グレース・モレッツ扮するヒット・ガール!
◆ 面白いストーリーづくりには悪役が不可欠だが、本作でのそれは、地元を仕切るマフィアのボスであるフランク・ダミコ(マーク・ストロング)。したがって、大人同士の対決はデーモン扮するビッグ・ダディVSフランク・ダミコ。しかし、あくまで本作のターゲットは若者だから、ストーリー展開が少しややこしくなることを覚悟のうえで、マシュー・ヴォーン監督はフランク・ダミコの息子クリス・ダミコ(クルストファー・ミンツ=プラッセ)をキック・アスに対抗するレッド・ミストとして登場させた。
どんな社会でも組織でもホンモノとニセモノがあるのは当然。そして、スーパーヒーローをテーマとした本作ではその真贋は観客には最初から明らかだが、ストーリー上はそれが入り交じって展開していくところが面白い。取引現場で部下を殺され、大量のヘロインまで横取りされた悪党のフランク・ダミコは次第に追いつめられていったが、そんな悪と戦ったスーパーヒーローはキック・アス?それとも・・・?
◆ 本作のハイライトシーンではバズーカ砲まで登場し、なぜかフランク・ダミコがその犠牲になってしまう。さらにストーリーを盛り上げるためか、ビッグ・ダディも死んでしまうから、これにて『キック・アス』は一話完結、読み切り編の終了。一瞬そう思ったが、いや、まてよ。ラストではキック・アスと相討ちしたかのようなレッド・ミストがむっくりと起き出して日本刀を手にしたうえ、バットマンの好敵手である「ジョーカー」の口癖を口にしていたからひょっとして・・・。
いや、きっとそうに違いない。①CGを使いません、②ワイヤーを使いません、③スタントマンを使いません、④早回しを使いません、をうたい文句とし、ブルース・リー(李小龍)やジャッキー・チェン(成龍)に勝るとも劣らない(?)すばらしいムエタイ技を魅せてくれたタイ映画『マッハ!(MACH)』(03年)(『シネマルーム6』194頁参照)だって、『マッハ!弐』(08年)(『シネマルーム24』194頁参照)が企画され実現したのだから、『キック・アス』のパートⅡの登場は時間の問題・・・。
2011(平成23)年2月12日記