洋09-113

「トランスポーター3 アンリミテッド」
      

          2009(平成21)年7月14日鑑賞<アスミック・エース社内DVD試写

監督:オリヴィエ・メガトン
製作・脚本:リュック・ベッソン
フランク・マーティン(運び屋)/ジェイソン・ステイサム
ヴァレンティーナ(謎の赤毛の美女)/ナターリア・ルダコワ
タルコニ警部(フランクの良き理解者)/フランソワ・ベルレアン
ジョンソン(運びの依頼主)/ロバート・ネッパー
マルコム・マルヴィル(フランクの知人)/デヴィッド・アトラッキ
オットー(マニアックなエンジニア)/ティモ・ディールケス
ザ・ジャイアント(ジョンソン配下の大男)/セーム・シュルト(K-1チャンピオン)
2008年・フランス映画・103分
配給/アスミック・エース

<シリーズ第3作のポイントは? その1>
 ジェイスン・ステイサム扮する天才的トランスポーター(運び屋)フランクが、自らに課す3つのルールは、①契約厳守、②名前は聞かない、③依頼品は開けない。そんな設定でリュック・ベッソンが製作・脚本した『トランスポーター』シリーズも3作目となったが、毎回のポイントは、誰の依頼で何を運ぶのか?ということ。もちろん、プロの運び屋フランクは、私たちが通常利用しているヤマト運輸(クロネコ)の宅配などではないから、運ぶものは危険がいっぱい。そして、事件の臭いがプンプン。シリーズ第3作における運びの依頼人は、冷酷な悪党ジョンソン(ロバート・ネッパー)。そして、依頼品は「赤い代物」だが、さてこれはナニ?
 『007』シリーズ第22作はウォータービジネスをテーマとし、舞台もグローバルに広がる地球的規模の悪党(?)がジェームズ・ボンドの敵として登場した(『シネマルーム22』88頁参照)が、『トランスポーター』シリーズ第3作における悪党ジョンソンによる「赤い代物」の運送司令も、地球的規模の危機を生む(?)ことに。それが、本作の第1のポイントだ。

<シリーズ第3作のポイントは? その2>
 第1作では、主人公フランクは元イギリス空軍のパイロットという設定だった(『シネマルーム2』188頁参照)が、第2作以降はそんな経歴とは関係なく、鍛えあげられた肉体と類まれな格闘能力が見せ物。ところが本作では、冒頭に謎の美女ヴァレンティーナ(ナターリア・ルダコワ)との出会いを示した後、あっさり背後から頭を殴られてダウン。そして、目を覚ました後は、右手首に特殊な液体爆弾入りブレスレットが装着されていたから大変。
 これはペンタゴン肝入りの“バイナリ自由形式磁気分解技術”による装置で、発信機が取り付けられた愛車アウディA8から20m以上離れると自動的に爆発するらしい。こうなりゃフランクがジョンソンから命じられたミッションを完全に遂行するまで愛車から離れられないのは当然。もっとも、なぜか車の後部座席には、同じくブレスレットを手首につけられた美女ヴァレンティーナが乗っていたから何かと好都合?いやいや、それは正反対。任務遂行に必死になっているフランクのペースと、何やらフニャフニャしたヴァレンティーナのペースはまるで水と油。これだけ女にイライラさせられたら、フランクの任務遂行にも影響が出るのでは?

<シリーズ第3作の見どころ その1-アクションは?>
 第1作、第2作のルイ・レテリエ監督から、オリヴィエ・メガトン監督に代わったシリーズ第3作のフランクのアクションは超過激で、カッコいい。だって、フランクをやっつけるためにやってきた男たちすべてを完璧にノックアウトした後、1人ゆっくりと現れた巨大な男ザ・ジャイアントさえ見事ノックアウトしてしまうのだから。
 ちなみに、このザ・ジャイアントを演ずる(?)のは、K-1のWORLD GP3連覇のセーム・シュルト。私も何回かテレビで観たことがあるが、身長212m、体重129.6kgというからすごい。まるで大人と子供の対決だが、さてフランクはどうやってこのザ・ジャイアントをノックアウト?

<シリーズ第3作の見どころ その2-カーアクションは?>
 フランクの職業上の必需品である愛車は第1作はBMW750だったが、第2作はなぜかアウディA8に変更(『シネマルーム11』316頁参照)。そして、本作も同じアウディA8だが、そのカーアクションは2台のトラックの隙間を斜めになってすり抜けたり、道路上から車のまま走っている列車の上に飛び乗ったりと、チョー過激。挙げ句の果ては、銃弾から逃れるため愛車もろとも湖の中に飛び込んだものの、車から20m以上離れられないフランクがみせる車と一体となった奇跡の脱出法とは?
 そんな過激なカーアクションは、あなた自身の目で。

<シリーズ第3作の見どころ その3-美女は?>
 『007』シリーズの楽しみの1つがボンドガールだが、『トランスポーター』シリーズもそれは同じ。『レオン』(94年)のナタリー・ポートマン、『フィフス・エレメント』(97年)、『ジャンヌ・ダルク』(99年)のミラ・ジョヴォヴィッチを発掘したリュック・ベッソンは、鞏俐(コン・リー)や章子怡(チャン・ツィイー)を発掘した張藝謀(チャン・イーモウ)監督に勝るとも劣らない新人女優発掘の天才(?)。そうすると、『トランスポーター』シリーズにおける美女鑑賞の楽しみは、『007』シリーズ以上?
 第1作は、台湾生まれのベッピン舒淇(スー・チー)だったが、第2作は、『アンジェラ』(05年)におけるリー・ラスムッセンと同じようなモデル出身のアンバー・ヴァレッタ。たしかにスタイルの良さと足の長さにはビックリだが、日本人の私の目にはこんな大女は抵抗あり?しかして、第3作のヒロインは?
 それは、リュック・ベッソンがニューヨークの通りで見つけた、美容師をしていたという素人娘のナタリア・ルダコーワ。数カ月の演技指導の後、オーディションを受けて無事合格したとのことだが、それってホントに公明正大な競争入札?それはともかく、顔の小ささと足の長さにはビックリだが、同時にそばかすの多さにもビックリ。やはり色の白い旧ソ連生まれの美女のお肌は極端に弱いようだ。そう考えると、やはり私の目には、第1作のスー・チーがベスト?
                               2009(平成21)年7月15日記