洋画04年NO65

「盗馬賊(盗馬賊/HORSE THIEF)」

    2004(平成16)年6月20日鑑賞<シネ・ヌーヴォ・中国映画の全貌2004>

監督:田壮壮(ティエン・チュアン・チュアン)
ロールブ/才項仁増
トルマ/旦技姫
東光徳間配給・1985年・中国映画・99分

<田壮壮監督の第2弾>
 陳凱歌監督、張藝謀監督と並ぶ中国第五世代監督の田壮壮監督が、1982年に北京電影学院を卒業後、直ちに発表した処女作『狩場の掟』に続いて、1985年に監督した第2弾がこの作品。

<前作に続くドキュメントタッチ>
 第1作『狩場の掟』は、「苛酷な自然におけるモンゴル族の生き方をドキュメントタッチで描き注目を集めた」とのことだが、この『盗馬賊』は、チベット族の主人公、ロールブ(才項仁増)とその妻トルマ(旦技姫)の生活を中心とするチベット族の生き方を描いたもの。
 『盗馬賊』というタイトルから、活劇的なドラマを期待していたが、全くそうではなかった。貧しさのため、馬泥棒をしなければ生きていけず、そのくり返しのため最後には悲劇的な結末を迎えるロールブたちの姿を描くものだが、それ自体はあまり大したストーリーではない。その過程で描かれる、ラマ教の儀式やチベット族の各種の風俗はたしかに珍しいものだが、格別、感心したり興奮を覚えるほどのものではなく、ああなるほど、と思う程度のもの。

<田壮壮監督の狙いは?> 
 この映画は、「会話は極端に少なく、記録映画風の画面が淡々と続く。映画に物語を期待する観客は田監督の映画に戸惑いを感ずる」と解説にも書かれている。私の感想も全くそのとおり!しかし、これに対して田監督は、「『観客に映画をわかってもらおうとは思わない。私の映画は次の世紀の人々に見てもらうために撮っている』と述べ、大衆を蔑視したとして議論を巻きおこした」とのこと。私の意見でも、「田壮壮監督、そりゃ言いすぎでしょう」と思うが、解説には、「田監督の言葉には、傲慢さというより自分の芸術に対する信念が感じられる」と田壮壮監督の擁護論(?)が書かれている。しかしどうも私はこの作品の価値を理解できず、感心しない。したがって、私のこの映画に対する評論も以上で終わり。やはり映画には、ストーリーがなくちゃ・・・!
                                  2004(平成16)年6月22日記